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一つ多い、一人ぼっち。一つ少ない、一人ぼっち。どちらにも意味があるように。
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水色やピンク
紫に淡いオレンジ
綿菓子みたいな雲の上
其処には生活があった。
暮らしているのは翼を持つ者たち。

僕は僕で
貴女を守りたかった。
貴女は貴女で
貴女を守りたかった。

だけどどうしてだろう。
僕の手は今貴女を突き落とそうとしている。
あなたの顔が目が
それどころかあたりの空気全てが
目に焼きついて離れない。
その前後は全くといっていいほど真っ白なのに。
その腕をつかんだ感覚もぬくもりも
思い出せないというのに。

「…きらいじゃ、なかったよ」

それじゃまるでさよならだ。
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花壇の煉瓦
砕いて飲んだ

漆黒の種子を
3粒飲んだ

川の水を
コップ一杯



この胎で育つ未だ見ぬわが子
それは御伽の実をつけ
ぽとりと落ちて波紋を広げ …
懐かしい門をくぐるとそこには何人もの生徒がいた。
大人しそうで賢そうな学生たちは
みんな、形こそ違えど同じ灰色の髪をしていて
まるで同じ顔が集まっていた。
異様な光景のなかに踏み出してしまった。

「こんにちは、先輩」

進むしかない。
僕は先刻の景色を見なかったことにした。
心を誤魔化し、ほんの一秒後の僕の気が狂わないように笑った。
雲とかクッキーとか
星とかジェリービーンズとか
絵本とかグミとか
風船とかぬいぐるみとか
市松模様と球体とか

自然とおもちゃと模造品

そんな世界で大の字になって
大きく息を吸って
この毎日に持って帰りたい。

でも吐き出した息は
キラキラなんてしてないんだろうな
いろんなモノが
壊れてく音がして
でもそれは僕の世界だけの話で
外側で世界は変わらず働いて
為替が目まぐるしく動いてるのかもしれない
こんな耳鳴りが聞こえるのは
ここだけの話なんだ。
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